分散は数の問題ではない
半導体銘柄を五つに分けて買った場合、名前は五つでも実質的には一つの賭けとあまり変わりません。同じ業種、同じ国、同じ景気の流れに頼る銘柄は、良い知らせも悪い知らせも一緒に受けるからです。分散投資の効果は持っている銘柄の数ではなく、それらがどれだけ違う動きをするかから生まれます。分散を考えるときは、何を何銘柄買ったかより、それらが同じ理由で上下していないかを先に確かめます。
銘柄を複数買ったのに一斉に下がりました。分散とは数ではなく、互いにどれだけ別々に動くかの問題です。
半導体銘柄を五つに分けて買った場合、名前は五つでも実質的には一つの賭けとあまり変わりません。同じ業種、同じ国、同じ景気の流れに頼る銘柄は、良い知らせも悪い知らせも一緒に受けるからです。分散投資の効果は持っている銘柄の数ではなく、それらがどれだけ違う動きをするかから生まれます。分散を考えるときは、何を何銘柄買ったかより、それらが同じ理由で上下していないかを先に確かめます。
二つの資産がどれだけ同じ方向に動いたかを一つの数字で表したものが相関係数です。値は-1から1の間で、過去の収益率から計算します。因果関係を示すものではなく、計算した期間にどれだけ一緒に動いたかを示すだけだという点を覚えておきましょう。
年間の変動率がそれぞれ20%の二つの資産に半分ずつ投じたとします。相関係数が1なら、まとめた変動率も20%のままです。0.5なら約17.3%、0なら約14.1%に下がり、理論上-1ならゼロになります。期待収益は二つの平均のままなのに、揺れだけが小さくなる。これが分散の核心です。逆に相関の高い資産同士は、どれだけ混ぜてもこの効果がほとんど生まれません。上の数字は計算の仕組みを示す例であり、実在の資産の値ではありません。
業績不振や経営上の不祥事のように一つの企業だけに起きる出来事は、多くの企業を持てば互いに打ち消し合って小さくなります。しかし金利の変化や景気後退のように市場全体を動かすリスクは、銘柄をいくら増やしても残ります。数百銘柄を組み入れた指数ファンドでも、市場が大きく下がれば一緒に下がるのはこのためです。残るリスクまで抑えるには、株式以外の資産もあわせて考えるか、リスク資産の比率そのものを調整するしかありません。
普段は別々に動いていた資産が、市場が大きく揺れる局面ではそろって下がることがよくあります。不安が広がると、人々は種類を問わずリスク資産を売って現金を求めるからです。落ち着いた時期のデータで計算した低い相関係数だけを頼りにすると、分散が本当に必要な場面で効果が薄れているかもしれません。相関係数を見るときは全期間だけでなく、大きな下落があった期間だけを切り出して確かめる方が現実に近い見方です。
分散したつもりでも、実際には一方向に偏っているケースは思った以上に多いものです。複数のファンドを買ったのに中身を見ると同じ大型株を大きく組み入れていたり、国内株と海外株に分けたのに両方とも同じ技術系の業種に偏っていたりします。
最初に比率を均等にしても、時間がたつと大きく上がった資産の比率が自然に膨らみます。放っておくと当初の意図より偏った組み合わせになり、その資産が崩れたときの衝撃も大きくなります。そのため、決めた周期や比率の差の基準に従って元の配分に戻すリバランスを行う人が多くいます。ただし売買のたびに手数料や税金がかかり、課税の仕組みによって実益が変わるので、費用もあわせて考える必要があります。リバランスは収益を保証するものではなく、リスクの水準を当初の意図どおりに保つ仕組みと考える方が正確です。
分散の状態は一度決めて終わりではなく、定期的に見直す必要があります。次の項目を一つずつ確かめると、見かけの分散と実際の分散の差が見えてきます。保有銘柄同士の過去の相関係数は、銘柄比較ツールで自分で計算できます。この記事は概念を説明するもので、特定の資産の売買を勧めるものではなく、投資助言ではありません。
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