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分散投資と相関関係

銘柄を複数買ったのに一斉に下がりました。分散とは数ではなく、互いにどれだけ別々に動くかの問題です。

📚 株式、数字の読み方 · 11/16· ⏱ 読了目安 2分 ·情報更新 2026-10-01

📋 基本情報

要点
分散の効果は銘柄数より資産同士の相関から生まれる
相関係数
-1から1の値。1に近いほど一緒に動く
限界
市場全体が揺れるリスクは分散では消せない
注意
普段は別々に動く資産も急落時にはそろって下がりやすい
補足
投資助言ではなく概念の説明である

分散は数の問題ではない

半導体銘柄を五つに分けて買った場合、名前は五つでも実質的には一つの賭けとあまり変わりません。同じ業種、同じ国、同じ景気の流れに頼る銘柄は、良い知らせも悪い知らせも一緒に受けるからです。分散投資の効果は持っている銘柄の数ではなく、それらがどれだけ違う動きをするかから生まれます。分散を考えるときは、何を何銘柄買ったかより、それらが同じ理由で上下していないかを先に確かめます。

相関係数の読み方

二つの資産がどれだけ同じ方向に動いたかを一つの数字で表したものが相関係数です。値は-1から1の間で、過去の収益率から計算します。因果関係を示すものではなく、計算した期間にどれだけ一緒に動いたかを示すだけだという点を覚えておきましょう。

  • 1に近い:ほぼ同じ方向に動いた
  • 0付近:はっきりした関係はなかった
  • -1に近い:逆に動く傾向があった
  • 同じ組み合わせでも期間を変えると値が変わる

数字で見る分散効果

年間の変動率がそれぞれ20%の二つの資産に半分ずつ投じたとします。相関係数が1なら、まとめた変動率も20%のままです。0.5なら約17.3%、0なら約14.1%に下がり、理論上-1ならゼロになります。期待収益は二つの平均のままなのに、揺れだけが小さくなる。これが分散の核心です。逆に相関の高い資産同士は、どれだけ混ぜてもこの効果がほとんど生まれません。上の数字は計算の仕組みを示す例であり、実在の資産の値ではありません。

分散で減らせるリスクと減らせないリスク

業績不振や経営上の不祥事のように一つの企業だけに起きる出来事は、多くの企業を持てば互いに打ち消し合って小さくなります。しかし金利の変化や景気後退のように市場全体を動かすリスクは、銘柄をいくら増やしても残ります。数百銘柄を組み入れた指数ファンドでも、市場が大きく下がれば一緒に下がるのはこのためです。残るリスクまで抑えるには、株式以外の資産もあわせて考えるか、リスク資産の比率そのものを調整するしかありません。

急落時には相関が高まる

普段は別々に動いていた資産が、市場が大きく揺れる局面ではそろって下がることがよくあります。不安が広がると、人々は種類を問わずリスク資産を売って現金を求めるからです。落ち着いた時期のデータで計算した低い相関係数だけを頼りにすると、分散が本当に必要な場面で効果が薄れているかもしれません。相関係数を見るときは全期間だけでなく、大きな下落があった期間だけを切り出して確かめる方が現実に近い見方です。

見かけの分散によくある落とし穴

分散したつもりでも、実際には一方向に偏っているケースは思った以上に多いものです。複数のファンドを買ったのに中身を見ると同じ大型株を大きく組み入れていたり、国内株と海外株に分けたのに両方とも同じ技術系の業種に偏っていたりします。

  • 同じ業種の銘柄を複数に分けて持つ
  • 組入銘柄が大きく重なるファンドを複数保有
  • 勤務先の株に資産を集中させる
  • 名前だけ違う似たテーマ商品をいくつも持つ

比率が崩れていく問題

最初に比率を均等にしても、時間がたつと大きく上がった資産の比率が自然に膨らみます。放っておくと当初の意図より偏った組み合わせになり、その資産が崩れたときの衝撃も大きくなります。そのため、決めた周期や比率の差の基準に従って元の配分に戻すリバランスを行う人が多くいます。ただし売買のたびに手数料や税金がかかり、課税の仕組みによって実益が変わるので、費用もあわせて考える必要があります。リバランスは収益を保証するものではなく、リスクの水準を当初の意図どおりに保つ仕組みと考える方が正確です。

自分の資産の点検リスト

分散の状態は一度決めて終わりではなく、定期的に見直す必要があります。次の項目を一つずつ確かめると、見かけの分散と実際の分散の差が見えてきます。保有銘柄同士の過去の相関係数は、銘柄比較ツールで自分で計算できます。この記事は概念を説明するもので、特定の資産の売買を勧めるものではなく、投資助言ではありません。

  • 保有資産を業種・国・資産の種類ごとに分けて比率を確認
  • ファンドなら上位の組入銘柄が重なっていないか確認
  • 大きな下落局面で互いにどう動いたか確認
  • 比率が当初の計画からどれだけずれたか確認

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